お腹のでっぱりに気をつけよう

お腹のでっぱりに気をつけよう

メタボリックシンドローム(内臓脂肪型肥満症候群)ということばがすっかり定着しました。お腹の中の脂肪、とくに内臓脂肪によって、病気が引き起こされやすくなった状態をいいます。
理解している方も多いと思いますが、ここでおさらいをしましょう。

まずは、メタボリックシンドロームをもたらすメカニズムからお話します。

腸から吸収された栄養素は毛細血管に入り込み、血液によって肝臓へと運ばれます。このとき、毛細血管は脂肪細胞の隙間を通り抜けていくのですが、内臓脂肪がたくさんついていると、大量の脂肪を溶かし込みながら肝臓へと向かうことになります。とくにアルコールを飲むと、より多くの脂肪が溶け込みます。
そうして、脂肪分が大量に含まれた血液は赤白く濁ります。その濁った血液が肝臓に送り込まれると、肝臓はそれを浄化しようとしますが、肝臓の一部の細胞(ファットストラージ細胞)が脂肪を取り込み、肥え太るのです。そして、必要のないコラーゲン繊維を吐き出して肝臓を線維化させ、これが進むと肝硬変になります。
また、脂肪を取り込んだファットストラージ細胞は、肝臓の本体細胞の中にも脂肪顆粒を作り出します。すると、ピンク色の肝臓は変色して黄色みを帯び、同時に肝臓の機能低下が起こります。

肝臓はコレステロールを作ったり、血中の中性脂肪やブドウ糖を調節したり、有害物質の解毒をしたりと、さまざまな働きを担っている臓器です。その機能が衰えると、そこから送り出される血液に含まれる糖や脂肪の濃度は高くなり、血液がドロドロになります。血液がドロドロになると、血のかたまり(血栓)ができて、血管が詰まりやすくなります。場合によっては、糖尿病や心筋梗塞、脳梗塞などを引き起こす結果にも・・・。つまり、脂肪によってさまざまな臓器が侵され、少しずつ健康が損なわれていくのです。
しかも、肝臓で処理しきれなかった脂肪分は、再び血流に乗って全身のすみずみに運ばれるため、さらなる体脂肪の蓄積へとつながっていきます。

このように、お腹の脂肪は「見た目」を悪くするだけでなく、健康にとっても大敵なのです。

日本では、厚生労働省の定めた基準により、ウエスト周囲径(おへその高さの腹囲)が男性85cm、女性90cmを超え、高血圧・高血糖・脂質代謝異常の3つのうち2つに当てはまると、メタボリックシンドロームと診断されます。
太った体型の人に限らず、やせ型や普通の体型の人でも、内臓脂肪の蓄積による腹部肥満である場合があります。最近お腹がでっぱってきた・・・腹囲の基準値にかかわらず、それはメタボリックシンドロームへと進むシグナルだと思ってください。

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