風本真吾の健康管理学事始め 第6回

風本真吾の健康管理学事始め 第6回

たくさん食べれば体重は増えます。食べる量が少なければ体重は減ります。極端な肥満体の人が元気で長生きするのは難しいです。一方で、肥満気味の人で長生きしている人はたくさんいます。ただし、多少の長い気ができても、膝がダメになることが多いです。自分のベスト体重を定めて、その体重の前後を維持する努力は、日常の健康管理の基本になります。

思う存分に食べまくって体重が増えすぎているのに、「私はそんなに食べていないはずです」と語る人は大勢います。一方で、食事をするごとに、「こんなに食べちゃった」と言いながら、痩せている人も大勢います。体重管理に関して、人の言い分を聞いているときりがありません。あちこちで言い訳が噴出しています。
どんな言い訳をしても、体重変動に関しては、一つの真理があります。

「ここ一ヶ月、体重がかわっていないのなら、ここ一ヶ月に食べたカロリーと消費したカロリーがつり合っている」
という法則です。

ここ一ヶ月で体重が増えたのなら、食べた量が多かったということです。逆に体重が減っていたなら、食べた量が少なかったということになります。
人の心底には、「しっかり食べて栄養をつけなければいけない」という本能が潜んでいます。東北の大震災の直後は、なぜかその本能が急に露出して、太ってしまった人が大勢現れました。確かに、人類の歴史は食べ物を確保することの苦労の歴史でもあり、餓死者が大勢現れた時期が周期的に存在しました。しかし、今の日本は、餓死者が現れる社会環境ではありません。「腹が減って死んでしまう」ということはあり得ず、むしろ、「肥満が続けば死んでしまう」という時代なのです。

成人になったら、「自分にとってのベスト体重は、何kgか」という問題を考えなければいけません。この数字に、医学的根拠はあまり考える必要はありません。自己のイメージで定めていいのです。
同じ身長170cmの人に対して、医学的には、あなたは何kgでなければいけない、ということはないのです。80kgと定める人もいるでしょうし、65kgと定める人もいます。自分が定めて構いません。

  • 食べることが好きなのか、好きでないのか
  • 姿を見せることが仕事なのか、仕事とは関係ないのか
  • ストレス発散は食べることなのか、そうでないのか
  • 自己満足できる体型はどんなものなのか
  • 会食が重要な意味をなす仕事をしているのかどうか
  • 骨格や筋肉は華奢なのか、頑丈的なのか

などを考え合わせて、「私のベスト体重は何kgである」と定めればいいのです。定めたベスト体重は、多少多めでも構いません。長生きできるかどうか、つまり、寿命管理的には、身についている脂肪の量はそれほど重要ではなく、脂肪の種類のほうがはるかに重要だからです。「脂肪の種類」の話は、別の項でお話します。
ただし、「身長は170cmだけど、ベスト体重は95kgである」というふうに、かなり多めに設定した場合は、「膝を守る」ことを考えなければいけません。「努力して膝を守る」のでしたら、靴に気を使うと同時に、太ももの筋肉を鍛え続けるようにしてください。「努力しないで膝を守りたい」のでしたら、グルコサミンやコンドロイチンなどの膝の軟骨の構成成分を摂取するようにしてください。

ベスト体重の設定にあたっては、年齢のことも重要です。同じ食べる量を続けても加齢に伴い、体重は増えるからです。「その理由は?」と尋ねられるとたいていの人は、「代謝が落ちるから」と答えますが、それは、あまりにも漠然とした答えなのです。
明確な答えとしては、「食後の体温上昇がなくなるから」と覚えてください。20歳代くらいの若い時は、食後に体温が上昇します。「暑いなあ」と思ったり、汗ばんだりしています。多くのカロリーを摂取しても、その後に体温が高まり、そのために食べたカロリーのうちけっこうな量が消費されてしまいます。
20歳代の後半を過ぎてくると、この「食後の体温上昇」がなくなるのです。だから、摂取したカロリーが丸ごと身についてしまいます。加齢に伴って体重が増えるというのは、その「食後の体温上昇」の差が大きいのです。
だから、30歳を超えて体重を落としたい時は、食後の体温上昇を取り戻しておかなければいけません。その方法として最も手っ取り早いのは、ミネラルの「クロム」を利用することです。クロムを朝に200~400μgほど摂取しておくと、食後の体温上昇が回復します。これは、即効性で身体に感じることができます。食後の体温上昇を回復させた上でダイエットに取り組むと、体重を落としやすくなるのは間違いありません。
クロムによる食後の体温上昇のメカに無図は医学的に証明されていますが、ここでは難しいことは述べません。クロムを摂取しておくと、運動時の発汗量がどっと増えますので、すぐに実感することができます。

「若い頃はもっと食べていたのに」と心の中で思っている人は、反省が必要になる場合もあります。良く分析すると、「若い頃にもっと食べていた」というのは、「ご飯をドンブリで2杯は食べていた」という程度のことが多いのです。年をとって裕福になってくると、「ご飯でドンブリ1杯分」に相当するカロリーを持つ料理が、身の回りにはたくさん並んでくるのです。

さて、心の中でベスト体重を設定したら、自分の体重をその体重の前後にフィットさせなければいけません。そこで、自分の食習慣づくりを考えなければいけないのです。1日の総摂取カロリーが重要ですから、自然に総摂取カロリーを減らせる食習慣づくりを工夫するのです。
1日2食でも、3食でもかまいません。ちょこちょこと頻繁に食べるのでも構いませんし、昼食だけをドカッと食べて、朝と夜は少なめにする、などもかまいません。夕食はビールから始めると、食べる総量が減るという人もいます。お酒をやめると甘いものが欲しくなり、かえって体重が増えるという人もいます。自分のストレス発散になりやすい食習慣を維持しながら、総カロリーを減らすことを考えるのです。

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