風本真吾の健康管理学事始め 第4回

風本真吾の健康管理学事始め 第4回

60歳の男性が100人います。20年後、80歳で生きているのは61人で、30年後90歳で生きているのは21人です。肺ガン、胃ガン、大腸ガン、肝臓ガン、すい臓ガン、心筋梗塞、脳梗塞、脳出血、クモ膜下出血、肺炎を完全に予防できれば、60歳男性100人のうち、90歳で生きているのは、53人になります。

日本人の平均寿命は、世界トップクラスで男性は81歳強、助成は87歳強(2018年)です。平均寿命が延びたのは、医療技術の進歩や医療制度の改善、健康に関する関心の高まりなどが役立っていますが、基本的に日本がもともと魚食民族であったことが、長寿の秘訣です。
先進国の中で魚食民族というのは、日本人ぐらいです。しかし、身の回りには、40歳代、50歳代の働き盛りで亡くなる人も多いような気がします。あなたの同級生の男性100人中、2〜3人は50歳までに亡くなるのです。

50歳までに動脈硬化が進んでしまった人が50歳代を危うくし、突然の心臓病で死ぬ人が増えます。つまり、40歳代までの健康管理がいかに大切かわかります。50歳代の死因の第1位はガン(悪性新新生物)ですが、2位は心疾患になっています。50歳の男性100人は、60 歳では95人になっています。つまり、50歳まで生きていた男性100人のうち、5人が50歳代で亡くなるのです。
無事に60歳を迎えたとしましょう。この年齢で定年退職する人もいることでしょう。社会人としての戦いを終えて、ようやく自分のための人生を謳歌できる時を迎えられますが、そこから先は健康を守る戦いになります。60歳を迎えたあなたにとって怖いのは、ガン、心疾患、脳血管疾患です。ガンは数ヶ月から数年の闘病期間を経て死に至りますが、心疾患、脳血管疾患では突然死することもしばしばです。60歳から90歳までの死因は、どの年齢層でも1位ガン、2位心疾患、3位脳血管疾患です。
60歳から64歳までは、死因の4位が自殺。定年退職後、人生に意欲を失ってしまうことも大きな原因かもしれません。65歳を超えると、死因の4位は肺炎です。肺炎での死は、窒息死のような状態ですから、とても苦しい最後です。
肺炎は、身体が不自由になってから、飲食時にむせて誤囃して発症する場合もありますし、単に肺に微生物が侵入して、その微生物を撃退できなくて発症する場合もあります。飲食時の注意はもちろん必要ですが、余計な微生物を撃退する人体能力(免疫力)も大切であることがわかります。
90歳まで生き抜けば、その先はガンで死ぬことは少なくなります。ガンは死因の第4位へと急落し、死因の第1位は心疾患、2位は脳血管疾患、3位は肺炎になります。心疾患や脳血管疾患は、動脈硬化や血栓傾向を下地とすることが大半です。90歳を超えてもピンピン元気を目指すなら、とにかく血管を大切にしなければいけません。

さて、冒頭に述べた「60歳の男性が100人います」以下の表現形式は、健康管理を考える上での基盤となります。冒頭の「100人中何人」の数字は、平成時代の後半の数字ですが、時代が進めば、少しずつ変化します。健康管理学を研究する者は、この数字を更新していかなければいけません。厚労省が発表する死因分析の結果から、統計学を応用して数字を出していく作業は、その道のプロにとっては簡単な作業です。ただし、死因分析は5歳単位で発表されますので、ごくわずかの誤差は生じます。また、「肺炎で死んだ。その大元は脳梗塞で寝たきりになったことだ」「肝臓ガンで死んだ。しかし、その大元はにっちもさっちもいかない肝硬変だった」などの因果関連も存在しますが、健康管理を考える上で
の大きな観点でとらえることにするのがいいです。
当然、女性の数字も必要ですが、本書は「事始め」ですので、女性の数字を出した成果は、後進の研究者に譲りたいと思います。
次のような数字も必要です。今後、数百年、数千年にわたって、更新し続けてほしいものです。

  • もしも事故死と自殺がなくなれば、60歳の男性100人のうち62人が80歳まで生き延び、22人が90歳まで生き延びます。
  • もしガンにさえかからなければ、60歳の男性100人のうち77人が80歳 まで生き延び、37人が90歳まで生き延びます。
  • 心筋梗塞さえ起こさなければ、60歳の男性100人のうち65人が80歳まで生き延び、25人が90歳まで生き延びます。また、脳梗塞さえ起こさなければ、66人が80歳まで生き延び、28人が90歳まで生き延びます。
  • 心筋梗塞と脳梗塞のどちらにもかからなければ、60歳の男性100人のうち67人が80歳まで生き延び、30人が90歳まで生き延びます。
  • ガンと肺炎さえ予防できれば、60歳の男性100人のうち、80人が80歳まで生き延び、45人が90歳まで生き延びます。
  • 臓器の「ジリ貧状態」を予防すれば、60歳男性100人のうち66人は80歳まで生き延び、28人が90歳まで生き延びます。

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