中国の医療<前編> ~めざましい成長を続ける国の医療~

中国の医療<前編> ~めざましい成長を続ける国の医療~

中国の医療保険制度における日本との仕組みの最大の違いは、保険の給付内容が全国統一的になっていない事です。
中国では、現在3種類の医療保険が存在し、保険の種類によって使用できる薬が決められており、提供される医療の内容も違っています。
1951年制定の労働保険条例で実施された公費医療保険と労保医療保険から成る公的保険を引き継いだ「都市労働者基本医療保険」と2007年に中国政府の国民皆保険制度を目的に制定された「新型農村医療保険」「都市住民基本医療保険」で、全国民の95%以上をカバーしています。

さて、現在の医療はどうなっているのでしょうか?
日本語が通じる病院は外国人向けのクリニックで、費用は非常に高く、ローカルの病院は衛生状況がとても良いとはいえませんが、以前に比べれば、日本の地方の病院くらいにはなっています。
また、軍系の病院は非常に医療水準が高く、日本よりも患者の数が多いため、経験を積んだ医者が多いです。それに、軍の総合病院は共産党の専用病院で、中国の医者のトップクラスが集められおり、設備や医療技術の面でも世界的に高水準にあります。
その他、日本との違いは、歯医者と美容整形以外は開業医がいなく、基本的にはすべて総合病院であることで、市の経営、もしくは軍の経営になります。

「都市型労働者基本医療制度」では、外来の保険償還は、医療保険料の個人が負担している掛け金を個人の日座に積み立て貯金をしており、この範囲で償還されています。入院の保険償還は、企業が拠出した保険金を集めた基金から償還されることになっています。したがって、外来の保険償還は、自分の口座の積立金がなくなれば、それ以後の医療費は全部自己負担になります。逆に自分の口座に多くの残金がある場合、それを両親や子供のために使うこともできます。つまり、自分が健康でありさえすれば、全体として家族が得をする仕組みになっています。入院での費用負担は基金が支払ってくれるために、安心して入院治療を受けられるようになっているのです。

「都市住民基本医療保険」では、被保険者は3つの病院と1つの地域コミュニティーセンターを選んで、自分の指定病院として登録します。外来診察の時は、最初に地域コミュニティーセンターを受診するように決められています。
診察費、治療費は一定額までは自費で、一定額を超えると保険適用になっています。年間の自己負担費用の支払い限度額は600元(1万円程度)と決まっており、それ以上払うことはありません。国の負担割合は50%で、限度額は2000元(3万2000円)となっています。

(後編に続く)

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