オーストリアの医療 ~オーストリアの医療システムについて~

オーストリアの医療 ~オーストリアの医療システムについて~

オーストリアはヨーロッパ大陸のほぼ中央にある内陸国で、面積は北海道とほぼ同じ、緯度は北海道よりも北に位置します。人口は約852万(2014年)。気候は、冬季に日照時間が短く、平均最低気温が氷点下、夏期は日照時間が長く、平均気温20度前後です。衛生状況は良好で、水道水はそのまま飲用できます。

医療費は国が全額支払い、病院での自己負担がないのも特徴です。開業医は大きく分けて一般医(Allgemeinmediziner)内科、外科等の各科専門医(Facharzt)ことがあります。
一般医は一般的な診療を行うとともに、様々な健康相談を行います。病状によって専門医の治療を必要とする場合には、専門医を紹介し、またはその後のアフターケアを行います。ここは日本の診療と変わりないですね。
公立保険の契約がある診療所は、1週間に4~5日、午前中または午後に診察しており、通常は予約なしで直接行っても診察を受けることができます。
また、プライベートの診療所の場合は、多くは前もって電話で予約をとった後に診察を受けるシステムになっております。
各科の専門医も同様に、公立保険契約のある医師、またはプライベートの医師に分かれています。専門医には患者さんが直接行くことも可能ですが、普通はまず一般医を受診し、必要があればその病状にあった適切な専門医の紹介を受けた後に、それぞれの専門医を訪れる方が一般的です。
この診療所は大体アパートの建物の中にあり、日本の診療所と比べて見つけづらいようです。以前、ウィーンに留学していた医学部の同級生は、住んでいたアパートの住人から色々と医療の相談を受け、彼の部屋はさながら無料医療相談所になっていたと聞きましたが、ウイーンに住んでいる人にとっては、それが一般的だから違和感がないのかもしれません。
また、彼の帰国後もウイーンの友人からの国際電話での医療相談が多かったようで、気軽に相談ができるといったような医療体制にはなっていないとのことでした。

そして、日本と違う大きな問題点が一つあります。オーストリアでは完全な医薬分業なので、診察を受け、血液検査が必要な人は血液検査専門の所へ、レントゲンや超音波(エコー)、CTやMRIの検査が必要な場合は、レントゲンの専門医を訪れなければならないのです。
患者さんはすべての検査データが出揃ったところで、それを一般医のところへ持参して病状についての説明を受け、今後の治療方針の指示を受け、または必要な場合はさらに別の専門医へ紹介されます。日本の感覚からいえば、時間がかかり、煩わしいと思うことでしょう。このようなことから、オーストリアの人は、風邪や生理痛、腰痛などのよっぽどひどい場合を除いて受診しないそうです。
病院は、大学病院と公立病院、そして私立病院があります。大学病院は、日本の大学病院のように難しい病気や症例の少ない病気の治療、臓器移植などを行っています。
Notfall-Ambulanz(救急外来)は24時間オープンしていますが、救急車は有料です。

オーストリアの人たちは、普通の風邪や眩暈などではめったに病院へ行かなく、薬もなるべく飲まず、自宅で様子をみることが多いようです。そのために、一旦抗生剤や風邪薬を飲むと良く効くようです。
日本人は普段から軽症でも薬を処方してもらってすぐに飲んでしまうので、いざという時に効かなくなっていくことがあります。
ウィーンの人を見習って、薬はなるべく使わずに自力で治すように心がけるべきですね。

世界の医療制度から学ぶ、日本の医療カテゴリの最新記事