胸を打撲して数日たつのに、痛みがいっこうにとれない


 「胸を強く打ったあと、いつまでたっても痛みがとれない。病院でレントゲン検査をしたが肋骨には異常がないといわれた」
 というケースがあります。
 こういう場合、骨を包む膜(骨膜)や胸の筋肉がダメージを受けていることもありますが、後になってやはり肋骨が骨折していたり、ひびが入っているというのがわかったというケースも少なくありません。最初は肋骨をレントゲン写真で見てもわからないことがあるようです。
 骨折が判明しても、治療として手術をするということは滅多になく、コルセットで固定して骨が自然につながるのを待つぐらいです。痛みがひどいときは鎮痛剤を投与したり、湿布薬を貼ったりして対処します。痛み対策は、骨膜や筋肉がダメージを受けて痛んでいる場合も同じです。
 わたしは直接打撃制の空手の大会などで、大会ドクターを務めることがありますが、肋骨の骨折はしょっちゅう見かけます。選手達も慣れっこになっているのか
 「これ絶対に肋骨が折れているよ。でもどうせコルセットするだけだから放っておくよ。そのうち、勝手に治るよ」と語っています。その精神力には脱帽させられます。
 とはいえ、交通事故などで連続する数本の肋骨が2箇所にわたって折れているときは、骨がぶかぶかと浮いて固定せず呼吸困難になることがありますので、骨を固定する手術を行います。